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涼風 - 僕らの歳時記

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涼風

暑い夏、祭り、花火、夕涼み…

日本人に欠かせない涼を得るための必須アイテム、それが団扇(うちわ)や扇子(せんす)です。

団扇(うちわ)は、中国生まれです。

漢字は漢名のままで、日本名の由来は、「打ち羽」。もともとは蚊や蝿を打ち払うものだったそうです。行司の軍配や天狗の団扇(うちわ)のように、権力の象徴として掲げるのも、打ち払うという意味で、「左うちわ」という言葉も、利き腕でない手で何も打ち払わなくてもよい暮らしとして意味なのでしょう。

一方、扇(おおぎ)の語源は「あふぎ」扇ぐものという意味だそうです。

扇は、中国で発明された団扇(うちわ)が7世紀頃日本に伝わり、100年くらいの間に折りたたんで携帯しやすいように作られたものが扇です。それが中国へ渡って扇子(せんす)と呼ばれて、その言葉がまた日本に伝わったようです。

扇は、風を起こすためだけでなくて、穢れを祓うためにも扇ぐ、日本の儀式や芸能には欠かせないものなのです。末広とも呼ばれ、行く末が栄広がるように…という願いを託します。扇げば扇ぐほど、幸運を呼ぶもの、そんな気がします。

水うちわ

団扇(うちわ)といえば、岐阜県岐阜市に「水うちわ」ってものがあります。見た目が透けていること、そして驚くことに、うちわを水に浸して気化熱によって涼むということで「水うちわ」って呼ばれているようです。

暑い岐阜の夏、水のように透明で、水に浸して扇ぐ美しい「水うちわ」。鵜飼を船の上から見物しながら、水うちわを長良川の水に浸して扇ぐ、なんとも風雅なんでしょう!手にとって見てみたい!!水うちわは、雁皮紙(がんぴし)という非常に薄い紙を貼り、専用ニスを塗って仕上げるそうです。ニスを塗ることで、透けて透明感があるうちわに仕上がります。

この「水うちわ」、今から約120年前に、日常品であったうちわの高級化という発想から、岐阜提灯の技法を応用し、美しく繊細な絵柄を表現した工芸品として生まれました。しかし、水うちわの最も主要な材料、雁皮紙を漉いてきた職人がいなくなってきて手に入りにくくなったことや、手刷りの絵付け職人もいなくなり、10年程前に生産が途切れてしまいました。

それを、若者のまちづくり団体「ORGAN」がその存在を知り、2004年に若者が立ち上がり「水うちわ復活プロジェクト」がスタート、うちわ職人の手探り状態での挑戦、若き和紙職人の協力、若者や女性好みのデザインの採用、ニス製造会社の協力など、新たな仲間を増やしながら「水うちわ」は復活しました。

水うちわの復活プロジェクトの試みは、それまで実感のもてなかった「自分のまち」を再発見していくきっかけとなったといいます。そして、この取り組みは、水うちわをめぐる地域再生、地域デザインへとつながっていっているようです。

昔ながらの職人仕事が、便利、スピード、コスト主義という中で消えていくことは寂しいことです。水うちわは、スローライフ、エコという観点からも、ほんと注目していきたいですね。若者(新しい)の力と、古きよき時代の力の融合で、新たなモノが生まれる。素敵なことです。

長良川の水につけて扇ぐ、水のように透きとおったうちわ

自然の光と水と風に包まれていく…

参考文献等

  • 「美しい暦のことば」山下景子 インデックス・コミュニケーションズ
  • 「水うちわをめぐる旅」水野馨生里 新評社

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最終更新時間:2007年09月14日 10時14分17秒

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